憧れの秋葉街道と日本のチロル下栗の里 20170722

ヒルクライムやロングライドのコースを考え始めたころ、5年ぐらい前になるのかな?。一緒に走っていた友達から「秋葉街道っていいらしいっすよ!」と聴いたのが初めて、その後山と溪谷社「自転車人」の記事をいくつか目にする中で「いつかは走って見たいあこがれのコース!」となっていた。
とはいうもののこの街道は南アルプスと中央アルプスに挟まれた谷間の街道であり、鉄道のアクセスがきわめて難しく中央線茅野駅から東海道線浜松まで走らなければならない。山越えして天竜川沿いを走る飯田線へのアクセスもあるが東京からの輪行は塩尻経由で本数も少なく時間がかなり日帰りは極めて難しい。
こうなるとやはり茅野から浜松まで総距離210kmで1000mほどの峠をいくつも越えて3500m以上を上らなければならない。以前2度ほど大鹿村や下栗の宿を予約して1泊2日の企画をたてたことがあるがどちらも悪天で中止となってしまった。
今までは日帰りは不可能と考えていて憧れのコースだけど足が遠のいていた。しかし夜行快速の「ムーンライト信州」を利用することで深夜の新宿から茅野に向かい4:30頃にスタートすれば浜松に19時頃ゴール出来そうなので走ってみた。

ライドプランと実際の通過時刻
【ライドプラン】

※万一のトラブル/悪天の場合は道の駅遠山郷から平岡駅へ向かうコースも記載しています。

【実際の通過時刻】
茅野駅発4:10⇒4:17着セブンイレブン茅野安国寺店(朝食と昼用おにぎり2個+非常食のパンと羊羹を購入)4:32発⇒杖突峠5:11通過⇒中沢峠6:53通過⇒分杭峠7:02通過⇒7:54着構造線博物館7:58発⇒地蔵峠8:53通過⇒しらびそ峠10:05通過⇒10:21着ハイランドしらびそ(レストラン営業は10:30からのため自販機でドリンクのみ調達)10:36発⇒11:16着下栗の里ビューポイント11:49発⇒11:50着はんば亭(レストランでそばセットが人気だったけど昼食持っていたので芋田楽のみ購入してセブンおにぎりと食べた)12:06発⇒道の駅遠山郷(レストランなどがあったが手前のヨシマルヤストアーでドリンク調達)13:00通過⇒兵越峠14:35通過⇒水窪駅15:12通過⇒渡辺商店(スプロケ不調確認)15:50通過⇒秋葉ダム(休憩+非常用パンと羊羹摂取)16:30通過⇒セブンイレブン天竜船明店17:03通過⇒18:20浜松駅着
※地蔵峠までは涼しくしらびそ峠から暑くなってきた。下栗の里に着くまでは順調にペダルを回して予定は12:30着だったが11:16に到着して1時間以上のマージンがあった。しかしビューポイントへの徒歩時間とはんば亭の昼食時間でマージンをほぼ消費、兵越峠の上りも予定より時間がかかった。よって午前中の涼しい時間に稼いだマージン使い果たして兵越峠をほぼ予定時刻の通過、後半は東から西への向かい風で下り基調の割にスピード乗らず予定時刻ちょうどに浜松駅に到着となりました。

当日の様子
新宿駅中央線ホームにムーンライト信州が23時34分に入線
輪行はデッキに置かせていただきました。
運賃は五反田~立川までの乗車券(21日分)と青春18きっぷ(22日1日分)とムーンライト信州指定券

新宿駅を23:54に出発して茅野駅に3:42到着、輪行解除して茅野駅前を04:10に出発、コンビニで軽く朝食をとり補給食を購入し出発、この先浜松市街に入るまでコンビニは無い。

ポツポツと雨粒が落ちる朝靄のかかる茅野にバイバイして一つ目の「杖突峠」へ

つづら折りが続く杖突峠を越えると直線の道が広がり両側を新緑の山に挟まれた田園風景や昔の街道の面影を残す家屋や道標を見ながら高遠まで下っていきます。

高遠城址からの下りでは正面に北アルプスの山々を見ることができました。

東側の山々に挟まれ日差しが届かないため、とても涼しいスタート、美和湖のきれいな湖面がさらに涼しく感じます。ちょどお日様が東の山を越えて日差しが届くころに峠道の林間部に入り暑さを逃れられました。

分杭峠はこの中沢峠からさらにもう一段上がります。

ゼロ地場として有名な「分杭峠」に到着、真っ青な空と山の緑が美しいですが、すでに日差しが強く湿度が高く今日は暑くなりそうです。長野側の飯田市は夕方から雷雨予報もあるので早めに山越えして静岡側の浜松へと先を急ぎます。

狭い谷間「伊那谷」の細い道を一気に下っていきます。山々には崖崩れの跡や補修した箇所が多くみられ、この谷が浸食で出来たものではなく、断層であることを主張しているようでした。
伊那谷は交通のアクセスが悪く古くからの風景が残るのは断層のズレ現在も進んでいる事や破砕帯が多く存在してトンネル掘削が難しいためのようです。

しばらく下ると大鹿村に入ります。大鹿村中央構造線博物館を過ぎて青木川沿いに進むと徐々に地蔵峠への上りが始まります。

途中工事中のダート区間が2~3か所あり分岐、道なり前方に進と秋葉街道へ下りますが、大きく左曲がり上りに進み地蔵峠からさらに上りしらびそ峠を目指します。

標高1918m「しらびそ峠」からの眺めは、連なる山々の新緑がまぶしく、空は濃いブルーに夏の真っ白な雲といつまでもみていたい景色でしたが、現実は強い日差しで暑くて暑くてそうそうに退散、ボトルの水も切れてるので急いでハイランドしらびそへ向かうも、ここからが劇坂!、峠を越えたがらと安心してたら想定外の坂と暑さ、水なし、加えてブヨがブンブンに打ちのめされました。

ハイランドしらびそは、営業が始まっていなかったのでドリンク調達してそうそうに出発、隕石によるクレーター跡あたりを走り下栗の里ビューポイントに到着。

駐輪する場所もなく、仕方なく押し歩きで入りましたが、道路からビューポイントまでは狭い山道で距離も相当あって、たくさんのすれ違う方々にご迷惑をかけてしまいました。マナー違反で申し訳ございませんでした。そして押し歩きは疲れた。

山の斜面に張り付くように家屋が立ち並ぶ下栗の里は山々の美しくとそこに長年住み続ける人々の生活の険しさがうかがえます。後に里に下ると道に観光客の車が入らないように案内している地元の方とお話させていただいたのですが、過疎化と高齢化が激しく今後の里を心配されていました。
ビューポイントから下るとはんば亭という観光センター的な施設がありレストラン、お土産、駐車場にバイクラックもありここに駐輪すれば良かったと後悔でした。
お昼でお腹もすいて、でもここまでで稼いだ時間はビューポイントの歩きで使い切っていたのでレストランでのんびりおいしいおそばをいただくことも無く、レジ横においてあった「芋田楽」をいただきました。ホクホクのジャガイモに独特の味噌が塗ってあってとてもおいしかった。
バイクラックには名古屋から来られたウィリエールの方々とちょっとお話させてもらいました。みなさんバイクもジャージもWilierでかっこよかったので思わず声をかけてしまいました。娘のらいかも細田選手に憧れてWilier Imperiele が相棒なので津負いついお声がけさせていただきました。
道路案内のおじさんに里のくねくね道の通過を了解いただき、また里の状況を熱心にお話いただきました。

里の細いつづら折りを下って秋葉街道に戻り大きないトンネルをくぐると道の駅遠山郷、コースはトンネルをくぐらず川沿いの旧道を走る予定でしたが、あまりの暑さだった気持ちよく下っちゃった。

最後の峠「兵越峠」、秋葉街道としては青崩峠ですが断層による地盤が軟弱で崖崩れがたびたび発生するため車両通行不可。山サイを覚悟しなければ通り抜けることは出来そうもありません。青崩峠トンネルの計画もあるがなかなか工事は進まないようです。静岡県側の水窪には草木トンネルという大きなトンネルがあり三遠南信自動車道という高速道建設の試みがあったようですが、実現されていないようです。ここまでの杖突峠・中沢峠分杭峠・地蔵峠しらびそ峠の疲れと暑さもあったとは思いますが、兵越峠の旧道上り口からの数キロは激坂区間と言われるだけあってきつかったです。ダンシングでもペダルが下りずスプロケ25じゃ無理!思わず富士あざみラインのうま返し先を思い出しました。

最後は天竜川を下り浜松へ、下り基調ですが向かい風でペダルを回さないと進まなかったり、ちょっとしたマシントラブルがあった。振動でスプロケットのロックナット緩み、今回は離脱困難ルートのためチューブに加えてタイヤからワイヤーやチェーン類のトラブル対応に備えた装備だったがさすがにロックアウト工具は持って行かなかった。手で締めてなんとか走行出来てよかった。

茅野のセブンイレブンを早朝4時30分に出発して秋葉街道に入ると次のセブンイレブンは180km以上走って17時過ぎに通過するココです。途中小さなスーパーや個人商店、道の駅はありますがコンビニはありません。

実際に走ってみて強く感じた事は「サイクリングの聖地がしまなみ海道なら!」、「ヒルクライムの聖地が乗鞍エコーラインなら!」、間違いなく街道や里山ロングライドの聖地は「秋葉街道」だと思います。ランドナーの方々を中心に古くからのサイクリストを魅了する理由がなんとなく感じました。

絶景と言えるところは特に無いように思いましたが、中央構造線という軟弱地盤が大規模道路の建設を拒み大型車の侵入が出来ないことから大規模工業・商業施設が無く古くからの佇まいが残る。
絶景を超える古くからの街道がそこにあるからでしょう。
狭い山道は自転車にはとても快適、山サイを魅了する未舗装の秋葉古道もいつかは探検してみたい。

random10 slidshow & photo gallery
gps trackmap & profile
合計距離: 215052 m
最高点の標高: 1916 m
最低点の標高: 13 m
累積標高(上り): 3816 m
累積標高(下り): -4612 m
総所要時間: 14:09:48

GPS ログ解析

開始地点茅野駅 終了地点浜松駅
開始時刻2017/07/22 04:10:59 終了時刻2017/07/22 18:21:09
水平距離214.70 km 沿面距離215.21 km
経過時間14時間10分10秒 移動時間12時間31分12
全体平均15.19 km/h 移動平均17.13 km/h
最高速度61.74 km/h 昇降合計7585 m
総上昇量3395 m 総下降量419 m
最高高度1916 m 最低高度13 m

通過時刻

茅野駅発4:10⇒4:17着セブンイレブン茅野安国寺店4:32発⇒杖突峠5:11通過⇒中沢峠6:53通過⇒分杭峠7:02通過⇒7:54着構造線博物館7:58発⇒地蔵峠8:53通過⇒しらびそ峠10:05通過⇒10:21着ハイランドしらびそ10:36発⇒11:16着下栗の里ビューポイント11:49発⇒11:50着はんば亭12:06発⇒道の駅遠山郷13:00通過⇒兵越峠14:35通過⇒水窪駅15:12通過⇒秋葉ダム16:30通過⇒セブンイレブン天竜船明店17:03通過⇒18:20着浜松駅

憧れの秋葉街道と日本のチロル下栗の里 20170722” への2件のフィードバック

  1. ブログ拝見しました。ヤスと申します。私も29日に同工程でツーリングを計画していたので、とても参考になりました。ブヨ対策はしていきます。
    25Tで走られたとのこ、すごい。
    私はもちろん乙女ギアです。

    1. ヤスさん、はじめましてPoTaBeRuのやがみです。コメントありがとうございます。
      今週末行かれるんですね!、楽しんできてください。
      出発前に用意した今回のライドプランと当日走った結果の主な通過時刻をブログ後半に追記しました。
      少しでも参考になれば幸いです。

      ちなみに私たちは29日に乗鞍に行ってきます。28日(金)のムーンライト信州ですが、もしかしたら一緒かな?
      https://www.facebook.com/events/1450514998343155/

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