Tweed Run Tokyo 20121020

Mercedes-Benz Fashion Week TOKYO 2013 S/S」のひとつのイベントとして東京で初めてツイードを身に着けて自転車で走る「Tweed Run Tokyo 2012」が開催されました。

公式HPを見ると「“The Tweed Run”はツイードの国、イギリスロンドンで2009年から始まったイベント。ツイードをおしゃれに着こなして、街を自転車で楽しく走ることが目的。」とありますが、開会式で話された内容から日本ではさらに二つの目的が追加されたと思いました。
そのひとつは、日本では化学繊維中心となってしまっているスポーツ衣料に対して草を食べて育つ羊から取れるエコロジーファイバーのウール製品をアピールする事です。エコな自転車にエコなウールはとても相性が良く地球環境にやさしい天然素材です。ウールといえば重くて乾きにくいイメージ感がありますが、動物の毛なのでそんなことは無いんですよね。程よい保湿性や温度によって通気性が変化するなどとても機能的。生き物の持っている性能は科学では作れないものです。一緒に参加したお友達から伺ったのですがメリノウールを使ったニュージーランドのIcebreakerが山岳愛好家の間では有名だそうです。一着欲しくなりました。
子供が小さかった頃は、天然衣料を重視していてウール素材を使ったものをよく着ていましたが、大きくなるにつれて手ごろな化学繊維ばかりになってしまいました。このイベントに参加したおかげでウール製品のよさを改めて知り、ウールを使ったスポーツ服も欲しくなりましたね。
そしてもうひとつの目的は、自転車安全走行の啓蒙活動です。開催概要には警視庁が掲げる「自転車安全利用五則 1.自転車は、車道が原則、歩道は例外 2.車道は左側を通行 3.歩道は歩行者優先で、車道よりを徐行 4.安全ルールを守る 5.子供はヘルメットを着用」の記載がありました。また、受付時に配られたサコッシュにはこの五則が書かれた警視庁のチラシが2枚入っていました。
早速マップを見てみると渋谷区を左周りにぐるっとまわるコースになっています。右折を避けて左回りのコースは自転車にとって走りやすく何より安全なコースになっています。
渋谷という最も交通量が多い街のためできるだけ車道走行を意識しながら、やむなく歩道通行が可能な部分は歩道利用をしながら歩道は最小限にしたコースとなっているようです。しかし歩道の狭い部分や交差点で歩行者が信号待ちの箇所に100台以上の自転車が押し寄せるためそれ相当の負荷がかかりました。住民の方や車を運転する方にとては、ストレスを感じた方も多かったのではないかと思います。
もっともっと自転車走行を考慮した道路環境の整備が進めば100%車道走行でコースが組めて、街にかかる負荷も軽減できるのでしょうが・・・現実は難しいです。

前置きはこれくらいにして ・・・ いよいよツイードランスタートです!。
会場は渋谷公会堂前、「先着50名様に東京ドッグさんのホットドッグをお配り致します!」に釣られてせっかちな自分は8時30分に会場入りました。

9時になったので ・・・・ 東京ドッグさんの美味しいホットドックをいただきました。ごちそうさま~♪。
つづいて、マフィンとあたたかい珈琲もいただきました。こちらも美味しかった。
お腹も満たされた頃にツバグラによる、ライディングデモンストレーションが始まり会場が盛り上がります。ライダーの服はTAKEO KIKUCHIだそうです。
参加者全員集合 ・・・・ みんなで記念撮影!。エントリー150名との事で当日天候にも恵まれ120~130名ぐらいの参加者という感じでした。
ドレスコードがツイードということで、服装もさることながら自転車も通常のレースやサイクリングイベントと異なり個性的な自転車が多く思い思いに工夫したツイードファッションとコーディネートしています。
実は英国といえばブロンプトンが沢山集まるんだろうと思っていましたが、ブロンプトンは意外に少なく伝統的なクロモリの細いダイヤモンドフレームに革のサドルとさすがのお洒落さんぞろいで想像を超えていて驚きました。
開会式ではアパレル業界の著名の方々がツイードランへの熱い思いを語りました。
ユナイテッドアローズ 栗野宏文氏(Tweed Run Tokyo 2012実行委員会 実行委員長)
Tweed Run創設者で英国Tweed Run主催者のテッド・ヤン・インとジャッキー・シャノン氏
TAKEO KIKUCHI 菊池武雄氏
今回走路誘導車を担当するメッセンジャー「T-serv」さんより注意事項説明もありました。
英国国旗が振られ・・・・いよいよツイードランスタート!。やはり安全走行のためにはヘルメットは必須ですがこのイベントに限ってはファッション重視のため帽子が基本のようです。先導してくれるT-servさんだけがヘルメットで参加者はほぼ全員がツイードジャケットに帽子という状況。悩みに悩みましたが今回は英国のしきたりに従いヘルメットは荷物預かりに預けてハンチング帽で走る事にしました。

僕達もそろそろ出発、10名ほど毎に先導車が入ります。・・・・僕達を先導してくれるT-servのJunさんです。

渋谷公会堂を出発し代々木公園方面に進みますが、信号が短く歩道で自転車渋滞中です。
代々木公園内ではイベントが開催されていましたが、人が少ない露天裏側通路を徐行で通過しました。
先導車が代々木公園から車道に出る箇所を見誤った事もあり代々木公園から富ヶ谷交差点までは歩道を走る事になりました。たぶんココは本来車道走行だったと思います。細い歩道は徐行ではなく押し歩きをすべきでしたね。
山手通りに出ると、歩道に併設された自転車道を走ります。自転車道といっても歩道をタイルの色で分割したもので、歩行者と自転車が分離されているわけではありません。加えて車から見えにくいため歩行者にとっても車にとっても自転車は双方に対してとても危険な環境となっています。歩行者と分離され、かつ車から認識できるオープンな自転車レーンが理想なのですが、新しく建設された山手通りの自転車道がこれではと・・・とても残念です。
また、車道では一列に走っている自転車も歩道と併設された自転車道に入ると気が緩んでしまうのか並列走行になってしまうところもあり車道走行の重要性を改めて感じました。
自転車道が整備されていない箇所は車道を走ります。自転車道(ある意味歩道)と車道の交互利用は、蛇行走行となり最も危険です。しかし、道路環境がそうなっているのでコースもこのようにせざるえなかったのでしょうね。道路整備が出来ていないのが残念です。
神泉町交差点は直進ですが長い信号待ちのため渋滞してしまいます。都心なので仕方ないです。我々は歩道で待つのは止めて車道走行から信号待ちになったのですが、交差点の信号は直進が青に変わる前に左折可の→が出る自転車泣かせの信号で苦慮しました。
さらに代官山方面に向かうと、旧山手通りに入るため車は少なくなりますので自転車は車道をスムーズに走れました。街並みがおしゃれでツイードライダーが似合います。気持ちいい~♪。
代官山交番前を左折。こちらも代官山のお洒落な街並みを見ながら渋谷方面に軽快に走ります。
並木橋交差点で左折UターンするようにJR線路方面向かいます。
JR渋谷駅新南口前を通過し東急線ガードを潜ると渋谷警察前交差点です。ココは自転車横断帯を右回りで渡りエイドが設置された渋谷ヒカリエ前へ進みます。
この交差点は歩行者はスクランブルの巨大歩道橋を渡り、自転車は車道に引かれた自転車横断帯を渡るのですが、自転車横断帯が口字型にはなっていません。コ字型で駅側には自転車が横断できない構造です。このため今回は下記地図のS→Eへと車道右側を走る事になりました。渋谷の中心だからこそ自転車が安全に走れるように逆走はなくして欲しいです。

ヒカリエ前に設置されたエイドで冷たい水をいただきました。ヒカリエは今回メルセデス・ベンツ ファションウィークの中心会場になっています。また、渋谷で一番注目されている施設です。
ヒカリエ前から宮益坂下交差点を渡りビックカメラ前までは押し歩きで進みます。
明治通りを進み明治神宮前を左折して代々木公園へ向かいます。
公園内は朝の道を戻るルートですが、昼近くのため午前とは比較にならないほど人出が増えていました。これだけの人出と公園内との事から徐行ではなく押し歩きすべきでしたね。
ゴールの渋谷区役所に到着。8.8km 1時間43分のライドでした。
駐輪場では、他の参加者の方からトール自転車をおかりしたしたり
レトロなバイクを見たリと、これまた楽しい一時でした。
そして、ティーパーティー会場へ
普段なかなかアパレル関係やファッション関係の方とお話する機会が無いので、今回はとてもよい刺激になりました。お話させていただいた方々ありがとうございました。
参加者に配られたサコッシュに腕章、ズボンクリップ、スポークカード、ゼッケン、ピンバッジ
自転車を愛する人々はさまざまで、ロードやヒルクライム、クロスカントリーやのんびり走るサイクリングなど、そして乗る自転車もロードバイクからMTBやBMX、ミニベロや最近はお洒落なアシストもありますね。自転車のバリエーションが沢山増えてファッションアイテムのひとつのなってきているので、ツイードランに限らずこのようなイベントが沢山増えると楽しいですね。2013年、2014年とロンドンに続いて東京のツイードランが毎年開催され規模が大きくなっていったら楽しいですね。ぜひそうなって欲しいと思います。
そして渋谷を含めて東京の道路事情が自転車にとってやさしい街になって欲しいですね。
このイベントに携わったスタッフの方々は準備段階のコース設計から試走、警察への届出や渋谷区役所との調整、当日は会場準備や誘導など大変な労力だった事でしょう。
渋谷を含めて東京の街は車優先なので、自転車で走りやすい環境ではないですよね。このような環境で自転車イベントを開催するのは難しく悩む部分が沢山あります。スタッフの方々かなり苦労されたことと思います。そんなイベントに今回参加できてとても楽しかったです。

今回のツイードファション再認識と言う目的と自転車車道走行と言う目的を達成するためには、人通りが多いハチ公前から公園通りや道玄坂、宮益坂~表参道~神宮前などを車道左側走行100%で走れたらツイードのカッコよさと車道自転車走行をアピールできてよかったと思いますが、この辺りを走るとすると交通規制をかけざるえなくなりますね。
反対に発想を変えてツイードランは自転車は乗るものではなくてファッションアイテム(アクセサリー)と捉えてセンター街など自慢の自転車を颯爽と押して歩いてもカッコ良かったと思います。歩行者から見れば身近に感じて一緒に写真撮影したり、「その自転車は・・・」などとおしゃべりしたりと、ちょっと変わった楽しい自転車イベントになるのではと思います。。

なお、ひとつ残念なことは参加者の大半がハンドサインや声かけなどが行われていなかったですね。せっかくのイベントなので参加者自らの安全確保と歩行者や車に対して安全走行アピールの意味でハンドサインや声かけを実践して欲しかったです。ハンドサインはまだまだ知られていない自転車マナーでありますので、事故を未然に防ぎ自転車の安全走行には大事な動作です。せめて先導の方には実践して欲しかった。

もう一つはヘルメット。これも自分の体を守る必須アイテムです。TAKEO KIKUCHIやユナイテッドアローズブランドのツイード柄ソフトシェルヘルメットなんてあったらお洒落かですよね。来年はそんなヘルメットを着用して参加したいですね。

【ツイードランについて詳しくはこちらをご覧ください】
 Tweed Run Tokyo2012  公式サイト
 Tweed Run 英国サイト
Fashion News
 ツイードを着て自転車に乗る「ツイードラン 東京」渋谷で開催決定
 初開催の「ツイードラン東京」スタート お洒落ツイード”ランナー”多数参加
 関連フォト | 初開催の「ツイードラン東京」スタート お洒落ツイード

YomiuriOnline ツイード着て自転車でシブヤを…150人走る
YomiuriOnlineよりスタートシーン

読売新聞10月20日夕刊より
朝日新聞10月21日朝刊より

今回ツイードラン参加に至ったのは、10月7日開催された東京夢舞いポタリングのボランティアライドスタッフとして協力いただいた大賀株式会社の大賀様より「英国で歴史あるツイードランが日本で開催されるので是非一緒に参加しませんか~♪」とお誘いいただいたのがきっかけでした。イベントスポンサーのザ・ウールマーク・カンパニー 井上様にも大変お世話になりました。
みなさまのご好意でとても楽しい自転車とファッションの1日を過ごすことが出来ました。日ごろ自分が参加している自転車イベントとはちょっと違った雰囲気の中でアパレル関係の方とお話が出来たのはとても有意義な一時でした。
そして、最近すっかりおじさんなり自転車ばかり乗っていて「お洒落」という言葉から遠ざかっていたのですが、若い頃に服に拘っていた頃を思い出せたのはとても新鮮でした。
楽しいイベントにお誘いいただきありがとうございました。今後もサイクリングライフに限らずご一緒できればと楽しみにしてます。どうぞよろしくお願いいたします。


また、お洒落から遠ざかっていた自分が「ドレスコードがツイード」でふと思い出したのが80年代に何度かお世話になった「Kent House 新橋店」でした。当時は京急ウィング新橋B1にお店を構えていましたが、現在は新橋駅前ビル1号館1階に移転していました。懐かしい思いをめぐらせながらお店に立ち寄りました。接客中で忙しそうな高際さんにツイードランの話をしたところ「素敵なイベントですね~」とにこやかに笑いながらツイードファッションについて英国の歴史や着こなしなどを教えていただきました。英国の伝統とベストやジャケット、ニッカボッカなどの話はとても興味深かったです。今回はワンポイントということとでツイード生地をパッチワークした素敵な帽子いただき、ツイードランに参加することになりました。Kent Houseさんのように歴史あるお店が健在なのはとてもうれしいく心強いですね。高際さんありがとうございました。
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gps trackmap & profile
合計距離: 8967 m
最高点の標高: 50 m
最低点の標高: 19 m
累積標高(上り): 104 m
累積標高(下り): -117 m
総所要時間: 01:43:35
GPSログ解析
開始日時 2012/10/20 10:21:53 終了日時 2012/10/20 12:05:28
水平距離 8.81km 沿面距離 8.82km
経過時間 1時間43分35秒 移動時間 1時間10分58秒
全体平均速度 5.1km/h 移動平均速度 7.5km/h
最高速度 20.2km/h 総上昇量 35m
最高高度 50m 最低高度 19m

【おまけ】
ツイードラン終了後は、チョット走り足りなかったので押上にある柳島カフェまで走りマッタリティータイム、その後は夜のスカイツリーを堪能・帰宅途中で東京タワーもしっかり撮影して楽しい1日が終わりました。